林田学「下請トラブル防止法」(税務経理協会)という本があります。 林田学さんははしがきでこう述べています。 「昨今の経済事情のもと、今までにない厳しい状況に置かれている下請企業は少なくないと思われます。本書は、このような状況にあって、下請企業が不当な不利益を被らないようにすることを目的として書かれています。不当な不利益が生じることを予防する手段や、問題や紛争が生じてしまった場合の解決方法について、単に法律の解説にとどまらない、実際に使える情報を様々に盛り込みました。 まず、第1章第1節では、法律による規制、第1章第2節では契約による規制、次に第2章では救済機関について、そして第3章では金融機関の貸し渋りの現状とその対策について説明してあります。 もう少し詳しくいうと、第1章第1節で、下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)と独占禁止法について説明しています。下請代金法とは、取引において、親会社がその優越的地位を利用して下請会社を抑圧することを防止し、下請企業の利益を保護しようとするものです。 独占禁止法は、企業の結合についてだけでなく、不公正な取引についても規制しており、下請契約の代金以外の面で、下請企業の利益保護を図っています。第1章第2節では、下請企業が不当な不利益を被らないことを目的としたモデル契約として、下請取引基本契約書の説明をしました。第2章では、下請いじめに遭って困っている下請企業を救済するための組織として、下請企業振興協会・公正取引委員会などの、制度の仕組み、事業内容、苦情紛争の処理等についての実情を説明してあります。 第3章では、下請企業だけの問題ではありませんが、とくに下請企業において深刻な問題となっている、金融機関の貸し渋りについて、その手口と、それへの対策として、対処法、考えられる法的対抗手段を具体的に説明してあります。 時代は大きな変革期を迎え、経営者の方々にとって厳しい時代といえますが、自律的で創造的で革新的な中小企業にとっては、かえって大きなチャンスの時代ともいえます。戦後、日本経済を根底で支えてきたのは中小企業ですが、今後、日本経済を立て直すのも中小企業となるかもしれません。」 林田学さんの言うとおりで日本経済を支えているのは中小企業です。その中小企業が大企業から不当なイジメにあうことのないようにと、林田学さんはこの本で書かれたのだと思います。